セルフヘルプグループ(以下SHG)のリーダー支援と後継者育成とは喫緊の課題である。 リーダーのバーンアウトや後継者がいないためにメンバーのニーズを充足した良い活動を展開しているSHGでさえ解消する場合も見られる。 初年度の21年度はリーダー支援として研修と交流会を実施、また、近畿圏内のSHG24団体と関東圏4団体を訪問したり、電話によって実情を把握してSHGの課題を探り、後継者育成方法を模索しながら、面接調査研究を進めた。面接は半構造面接で1時間半とした。 身体やこころに障害のある人たち、依存や嗜癖のある人たち、発達障害をもつ人たちなどの本人の会6団体と不登校や引きこもりの人たちの親の1団体のリーダーと面接し、グラウンデッドセオリーに基づいて分析。その結果、SHGの援助の特性の一つとして特記される即応性と接近容易性やヘルパーセラピー原則は逆にリーダーたちのバーンアウトの要因となっていることや体験的専門知識もリーダーによってはメンバーへの指導や助言として押し付けになってしまう危険性も調査面接途上で明らかになった。そこで、固有のテキストを作成してリーダー研修を実施し、相談を受けることの基本、事例検討、アサーティブトレーニングなどをおこなった。この研修の際にリーダー同士の交流会も開催した。この結果も踏まえて、調査面接および実践の研究結果を22年7月のコミュニティ心理学会で発表予定。
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