研究概要 |
本研究の目的は1、地域福祉人材の育成ならびにリーダー支援のための課題を明らかにする、2、地域住民参画のもと「地域を基盤とした福祉学習」ならびに「地域福祉人材育成」のための学習プログラム開発と評価を行うことができる基盤を地域に形成することである。(1)住民による校区地域福祉活動計画の成果の自己評価と課題の共有化の支援とともに、校区福祉委員会合同懇談会の場で、各校区の自己評価、とりくみから見える課題、次への展望について、校区を超えた経験交流から学ぶプログラムを実施、またその評価を行った。役員交代等による実践課題の共有化と引継ぎの問題に対応し、活動計画に基づく継続的・発展的な活動を促すためには研修内容や方法の充実のみならず事前・事後の役員等を対象としたヒアリング・懇談等による学びのニードの把握と意識付け、ふりかえりのうながしが有効であることが関係者を対象とした事後ヒアリングの結果から示唆された。(2)校区の地域福祉活動・計画についての意識と実態の把握について、社協職員による校区福祉委員会役員を対象としたヒアリング調査結果を市内関係各種団体代表からなる「福祉のまちづくり円卓会議」で検討、また研修プログラムの評価を行った。参加者へのヒアリング、会議への参与観察の結果からプラットホーム型の場の効果が発揮されるためには参加メンバーへの充分な情報提供とともにメンバーのもつ課題意識の把握や意識付けが会議外でコミュニティワーカーらによって継続的になされる必要性があることが明らかになった。(3)「地域リーダー」の地域実践現場における概念枠組みと具体的な支援を分析・提示することを目的に英国で調査を行った。NPO,大学、行政等によるプラットフォーム型の「地域ハブ」を関係諸団体が形成し研修を実施している実践から地域のニードに応じた地域リーダーの養成とその支援を行う基盤づくりについての示唆を得た。
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