研究課題/領域番号 |
21530626
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
吉村 夕里 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (50388211)
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研究分担者 |
所 めぐみ 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (00411281)
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キーワード | 社会福祉教育 / 利用者参画 / ナレッジデザイン / コミュニティ形成 / 専門職養成教育 / 状況的学習 / 相互作用分析 / 教材開発 |
研究概要 |
研究目的は、保健・医療・福祉サービスの利用者(以下:利用者)が参画する社会福祉教育のナレッジデザインを開発すること、開発したデザインを活用してインタープロフェッショナル教育を実施するための福祉コミュニティを形成することである。今年度は、「教材開発」と「教育実施」に関わる研究のスパイラルアップを図かるために、既に開発した教材を用いて、当事者参画の社会福祉専門教育を実施すると同時に、福祉サービス利用者が提供したスクリプトに基づいてさらなる教材を開発した。今年度開発した教材は精神科デイケア場面や家族療法場面に関する視覚教材であり、いずれもサービス現場から提供を受けたスクリプトをもとに作成したものである。以上の教材を活用しながら学生、援助専門職、住民向けの利用者参画の社会福祉教育を継続・発展させると同時に、教材開発から教育・研修の実施に至るプロセスについて参加者間の相互作用分析を行い、その成果の一部を学会発表や論文により公開した。さらに、援助専門職の現任者たちの教育においては実際の場面のビデオ分析とロールプレイを用いた「状況的学習」を重視した研修方法を開発して、教員、看護職、介護職の研修において実施したほか、英国における利用者参加の社会福祉教育のデータ収集を行った。以上は「利用者が参画する社会福祉教育」や「地域住民を巻き込んだインタープロフェッショナル教育」という主に2つの目標を実現するためのプロジェクトの作業として行ったが、その意義は「インターエージェンシー、インタープロフェッショナルな構成員が参加するプロジェクト方式を採用していること」「利用者の日常生活や実践現場での現実のやりとりに基盤を置いたボトムアップ形式のデータ収集を行っていること」「サービスの利用者や提供者が日常的に体験している軋礫や葛藤を素材とした現実的なテーマや、具体的な場面力動をデータとして使用すること」にある。
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