2005年3月25日に前回の科学研究費補助金研究成果のひとつとして、釜山市に地域児童センターを開設した。そこで今回は開設以来5年間を経て、サービス介入効果とマネジメントの評価を行うことを目的とした。その上で貧困児童家庭のための独自のアセスメントツールを開発するために、量的調査を計画し、その結果を報告書にまとめた。対象児童数39名を含む当事者への質問紙調査を実施したところ、児童の主観的満足度とともに、学習意欲、学力向上、生活習慣、対人関係などの改善が見られ、文化的生活度を高めたといえ、センター設置の意義が明らかとなった。また、2009年度には組織改編を実施し、新センター長として鄭寧愛氏(1級ソーシャルワーカー国家資格者)、黄チョンア氏(1級ソーシャルワーカー国家資格者)を迎え、サービス供給体制を強化した。さらに、生活保護受給者であるA氏(当事者家族代表)、夫芸淑氏(全国公立保育院連合会・会長、釜山市公立保育院連合会長、Wachi保育院長)、鄭ムンヨン氏(会社経営・センター後援会長)などを中心に保護者会とセンター運営委員会の連携を強め、地域福祉力形成に向けての組織的介入を行った。 加えて、「地域連携委員会」の協力による東三洞の組織分析を行い、地域の社会資源目録を行政機関と協働して作成した。東三1洞の住民組織、社会福祉機関、教育機関など地域内の児童の健全育成に関わる多様な機関への予備調査を開始し、区長を巻き込んだアドバイス体制を構築した。
|