【研究成果】平成21年度は、「救急医療施設における家族・遺族支援のためのソーシャルワーク実践モデル構築」における家族・遺族支援について、質問紙調査を実施するための準備期間とした。 【具体的内容】家族・遺族調査については、家族・遺族のニーズ、パーソナリティ、家族関係を含めたソーシャルサポート、受けている社会福祉制度やサービスを含めた支援等について調査する。なお、調査項目の妥当性を検証するために事前に予備調査を実施する予定である。 そのために、平成20年度まで行っていた心肺停止状態で救命救急センターに搬送され、入院に至らずに亡くなられたご遺族の研究成果を踏まえ、救命救急センターで入院後に亡くなられた家族・遺族のニーズについて、検討を行った。具体的には入院に至らずに亡くなられた方の医療スタッフに対するニーズから、入院中に必要となるケア等を考察し、調査項目の検討を行った。 また、海外の文献等から、先行研究を検討し、日本における遺族支援の方向性について考察し、本調査の準備とした。 【意義・重要性】わが国における救急医療現場での先行研究は少なく、量的調査はほとんどない。そのため、本研究データは貴重な資料となりうる。そのため、慎重に準備し、調査を進めて行く。救急医療においては、延命処置の中止や臓器移植医療等、今後、家族・遺族にどのように支援していくのか、大きな課題をかかえている。本研究は、今後そういった課題について、家族・遺族の視点から示唆できるものである。 平成22年度は、これらの基礎研究を踏まえて、実際の調査をすすめていく予定である。
|