研究概要 |
これまで交代制実施事業所と自治体職員などの調査を実施してきた。22年度は,これに加えて3交代から2交代への移行を展開しつつある職場の適応とメンタルヘルスの問題,睡眠など基本的生活行動の問題との関連について取り上げ,調査分析を行った。 まず,交代制移行事業所としては総合病院をフィールドに,縦断データを収集するため1回目の基本調査と2交代制移行後の2回目の調査を実施した。1回目の分析からは,2交代勤務者の割合は少ないものの3交代者に比べて精神的健康度が有意に高いことを確認した。同時に,心理社会的な発達と専門職としてのキャリア形成の面でも,2交代者の方が比較的良好であることが示唆された。全体としては,心理社会的発達が組織内コミュニケーションとストレスコーピングに対して重要な要因であることが再認された。 これに加え,2回目の調査で2交代制に移行したサンプルの変化を分析中である。また,行動記録データによる生活リズムとの関連も分析中である。 さらに本研究の目的の一つである介入プログラムについては,現場の管理職と情報交換を続けながら,集団としての介入とともに,個別サンプルへの参与観察を通じてフォローを試みている。 最終年度はこれら調査結果のまとめとそれに基づく介入プログラムの総括を進める。
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