研究課題
平成23年度研究の概要は以下の通りである。平成21年度、22年度研究から得られた結果を踏まえて、違反に対するリスク評価を上げること、およびベネフィット評価を下げることをねらいとしたグループワーク型の研修プログラムを考案し、看護師を対象に研修を実施した。また質問紙への回答を求めることにより、研修の有効性についても検討した。調査は2病院59名の看護師を対象として実施した。研修プログラムでは、看護業務における典型的な違反事例を提示し、以下の設問に基づきながらグループワークで話し合うことを求めた。設問(1)「この行為にはどのような危険や問題点があるか?」設問(2)「なぜこの行為をしてしまうのか(理由)?」設問(3)「この行為をすることでどのような得があるか?」設問(4)「ついこのような行為をしてしまいそうになる状況は?このような行為をついしてしまわないために出来る工夫は?」研修の施行後に回答を求めた質問紙において、違反行為に伴うリスク要因や違反を行うことに伴うベネフィット要因について尋ねた項目において高い値が示され、研修により違反に係る理解が深まったことが示唆された。質問紙結果では総じて研修に関する項目に得点が高くなる傾向が示された。またグループワークの討議結果をまとめた記入内容を分析すると、数多くの背景要因を多角的、連鎖的に分析、記述されていたこと、さらに研修に関する自由記述欄では、研修に対する好意的な記述が多数記されていたことなどから、今年度試行した研修は参加者に好意的に受けとめられ、また違反の防止に有効であることが示唆された。
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産業・組織心理学研究
巻: Vol.25, No.2 ページ: 121-133
巻: Vol.25, No.2 ページ: 135-146
Journal of Desaster Research
巻: Vol.6, No.2 ページ: 253-257