研究概要 |
本研究は申請者自身の先行研究の知見および方法を援用しておこなうものであるが、2009年度は3年間の助成期間の初年度として、今回の研究において新たに導入する変数のための尺度構成を中心に、研究活動を展開した。 開示後の否定的な相互作用に関しては、橋本(1997,2002)の対人ストレッサーおよび支援的/問題的介入に関する研究、および森脇他(2003)による開示に対する否定的反応の研究で用いられた測定項目等を参考に、項目プールの作成をおこなった。また、これを補完するために、日常ストレス体験時において友人から受けた対人的相互作用(肯定的および否定的な行動)について、自由記述を中心とするデータも収集した(2009年11月、回答者約140名)。並行して、従来用いてきたソーシャル・サポートおよび自己概念に関する尺度の確認のため既存の調査データを分析して学会発表をおこなうとともに、その発展としてのストレス体験後の自己開示とその影響に関する調査を実施した(2009年7月および11月、回答者計約300名)。さらに、これらをふまえて、本助成研究の焦点であるストレス体験およびその開示に関連した肯定的および否定的相互作用の「有無」と「程度」に関する質問を加えた新たな調査を実施した(2010年2月、回答者約130名)。 2009年度に実施した調査の結果については2010年度に開催される複数の学会(日本心理学会、日本健康心理学会等)の年次大会において報告する予定であり、順次その準備をおこなっている。また、それらを受けて2010・2011年度の調査実施に向けた準備(他大学教員との連携確認を含む)にも着手している。
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