2011年度は、3年間の助成期間の最終年度であり、最終目標であるペア・データの収集をおこなうため、一連の作業を構成した。 まず年度当初には、昨年度の最後におこなった、特定の特定の親友との二者関係におけるストレス体験の開示とその後の肯定的/否定的相互作用が気分状態ならびに自己概念の変化に及ぼす影響を検討するための調査データを分析し、過去1週間でのストレス体験と親友との間での相互作用が気分状態と関連することを確認した。また並行して、親友との間での相互作用がより長期的な影響を及ぼすことを確認するため、同じく年度前半(5月)に新たな調査を実施し、過去1ヶ月間でのストレス体験に関する特定の親友との相互作用とその後の心理的影響について検討した。これらについては同年9月の一連の学会にて発表した。さらに引き続いて、自らではなく親友のストレス体験への気づき、またその際の親友に対するサポート提供に関する調査を実施し、肯定的な結果を得た(同年11月の中国四国心理学会にて発表済み)。 これらを経て7月、12月そして1月の3度にわたり、自らの日常ストレス体験に関する特定の親友への開示と親友からの肯定的および否定的相互作用、そしてその回答者(本人)の挙げた特定の親友からの回答による、本人のストレス体験に対する親友としての相互作用に関する調査(ペア・データの収集)をおこなった。これらについての詳細な分析結果は、2011年度内には発表の機会をもつことができなかったが、2012年度内には順次報告していく予定である。
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