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2011 年度 実績報告書

アジア系看護師・介護福祉士の日本における文化接触をめぐる諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 21530672
研究機関桜美林大学

研究代表者

浅井 亜紀子  桜美林大学, 言語学系, 准教授 (10369457)

研究分担者 宮本 節子  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60305688)
キーワード文化接触 / 二国間経済連携協定(EPA) / インドネシア / 看護師 / 介護福祉士 / アイデンティティ / コミュニケーション / 国際移動
研究概要

本研究の目的は、EPAで来日しているアジア系看護師・介護福祉士候補者(以下候補者)の異文化体験を分析し、制度というマクロと当事者の心理の両視点を取り入れた異文化接触理論構築を行い、今後の受け入れ環境改善を目指すことである。3年間で国内調査(病院15、老人保健施設3,特別養護老人施設14を訪問、インドネシア人看護師候補者33人、介護福祉士候補者44人と面接)、2回のインドネシア調査及び、日本での政府関係(厚生労働省、JICWELS)への聞き取りを行った。
2011年度の成果は、(1)候補者をめぐるマクロの問題については、日本とインドネシア政府間のEPA制度に対する意味づけのズレに焦点をあて原因を明らかにし論文にまとめた(多文化関係学,第8号)。(2)看護師と介護福祉士候補者の日本体験を検討し、特徴を明らかにした。マクロとマイクロの連携モデルの視点からのインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の日本体験の一部は、日本学術会議フォーラム「アジア・太平洋地域におけるトランスナショナリズムの展開-社会科学からの展望」にて発表した(「学術の動向、17巻2号)。候補者の日本体験の特徴は、仕事に関わる規律やモラル、日本人のコミュニケーションスタイル(高文脈依存、上下関係重視)に違和感を語る人が多いが、それ以外の側面では差異があまり表明されなかったことである。その原因は、(1)職場では教育担当者以外の日本人との付き合いは薄く差異を認識する機会は少なかった。(2)候補者のストレスの源泉は日本語習得と国家試験の受験準備に集中。(3)候補者は仕事のやり方に日本と差を認める人もいたが、認めない人も多かった。これはインドネシアでどういう経験をし、日本の職場でどういう仕事をしているかで個々人の見方が違っていた。文化接触研究では、集団の差異を前提として文化差を問うより、状況限定的に「来日外国人がホスト側との出会いの場で差異をどう乗り越えているのかを問う」研究の方が実りあるという示唆が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] EPAインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の日本体験-マイクロ・マクロ連携モデルの視点から-2012

    • 著者名/発表者名
      浅井亜紀子・箕浦康子・宮本節子
    • 雑誌名

      学術の動向

      巻: 第17巻第2号 ページ: 83-90

  • [雑誌論文] 日本・インドネシア経済連携協定による看護人材受入れをめぐる組織コミュニケーション-政府間における意味生成と共有過程に注目して-2011

    • 著者名/発表者名
      浅井亜紀子・宮本節子
    • 雑誌名

      多文化関係学

      巻: VOL. 817-33 ページ: 17-33

    • 査読あり
  • [学会発表] 国際間移動に伴うアイデンティティ再構築の諸相:看護師の事例を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      浅井亜紀子・箕浦康子・宮本節子
    • 学会等名
      日本社会心理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] EPA看護師の職場体験とアイデンティティ:過去と現在の対比の中で2011

    • 著者名/発表者名
      宮本節子・浅井亜紀子・箕浦康子
    • 学会等名
      日本社会心理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] EPAインドネシア人看護師の日本体験:マイクロ・マクロ連携モデルの視角から2011

    • 著者名/発表者名
      浅井亜紀子・箕浦康子・宮本節子
    • 学会等名
      日本学術会議主催学術フォーラム
    • 発表場所
      日本学術会議講堂(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-18
  • [学会発表] EPA医療人材と受け入れ施設の関係性-時間経過による変化と地域性に着目して-2011

    • 著者名/発表者名
      浅井亜紀子・箕浦康子・宮本節子
    • 学会等名
      異文化間教育学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-06-11

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公開日: 2013-06-26  

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