研究課題/領域番号 |
21530675
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
平 真木夫 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50312690)
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キーワード | 学力低下 / メタ認知 / 学習方略 / 学力問題 |
研究概要 |
(The role of cramming for examinations and its impact on the use of learning strategies) 日本と異なりシンガポールでは小学校卒業時にPSLEという卒業認定試験が行われ、その成績によって進学先が決定される。つまり、小学校卒業の時点で日本と比較してシンガポールは受験圧が高いといえる。この受験圧の高さが学習行動に与える影響を分析した。学習方略とその選択に要するメタ認知能力を比較したところ、小学校卒業時点においてシンガポール学生の方が日本人学生よりも有意に優れていたことが示された。 (Resilience and school transition gaps in Japan) 中一ギャップが生じる切っ掛けとして中学校における学習への不適応があると仮説をたて分析を行った。特に小学校と異なり中学校での学習へ適応するためには、適切な学習方略を使い分けるメタ的な判断が必要とされると考えた。中学校進学にともなって学習方略の使い分けに関するメタ認知能力が向上した群、低下した群、変化が無かった群の3つの群に分けて分析をしたところ、向上した群では学習意欲が有意に向上したのに対して、低下した群では意欲が有意に低下したことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病気療養および震災被害のため研究活動を行うことができない期間があったため。
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今後の研究の推進方策 |
震災被害のため中止していた調査を再開する。中学一年生に進学する段階や小学校卒業前に配付される「学習のしおり」が存在するが、在仙の小中学校を中心として収集し調査する。次に、そのしおりの中で網羅されている教科の数と内容について分析する。特に学習方略などについて、中学校ではどのような工夫が必要とされると書かれているのか、小学校と中学校との違いがどのように記述されているのか分析する。最後に教育委員会へインタビューを実施し、「学習のしおり」が効果的に機能している中学校・小学校の割合を聞き取り調査する。
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