研究課題/領域番号 |
21530676
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
櫻井 茂男 筑波大学, 人間系, 教授 (50183819)
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キーワード | 共感性 / 攻撃行動 / 向社会的行動 / 介入プログラム |
研究概要 |
平成23年度は、前年度に行われた質問紙調査の結果を踏まえ、おもに共感性プロセスモデルに基づく介入プログラムを作成し、その効果検討を行った。対象は大学生と専門学校生であった。 介入プログラムは、共感性プロセスモデルをもとに、大きく分けて3つのセッションから構成された。 第一は、共感性の認知的側面を高めるセッションであった。このセッションでは、相手の気持ちを敏感に察知し、相手の立場に立って物事を考えることなどを、エクササイズを通してトレーニングした。 第二は、他者のネガティブな感情への共感性を高めるセッションであった。このセッションでは"悲しい"や"つらい"などといった他者のネガティブな感情に対して、同じ気持ちになったり、他者をいたわる言葉がけを考えたりして、他者のネガティブな感情への共感性を高めるトレーニングを行った。 第三は、他者のポジティブな感情への共感性を高めるセッションであった。このセッションでは"楽しい"や"嬉しい"などといった他者のポジティブな感情に対して、同じ気持ちになったり、応援するような言葉がけを考えたりして、他者のポジティブな感情への共感性を高めるトレーニングを行った。 上記のような実験群の他に統制群を設け、介入前、介入後、フォローアップ(一か月後)の3時点で、共感性、攻撃行動、向社会的行動を測定・比較した。その結果、実験群では共感性が高まり、攻撃行動が減少することが確認された。向社会的行動については変化が確認されなかった。 以上の結果から、本プログラムによって、共感性が高まり攻撃行動も抑制される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り研究が進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に実施された介入プログラムは、大学生および専門学校生を対象としたものであった。平成24年度は、それよりも年齢の低い対象に当該プログラムを実施しその効果検討を行うため、プログラムの改善が必要と思われる。 平成24年度も予定通り、介入プログラムの効果検討を中心に行う予定である。
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