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2010 年度 実績報告書

学校心理学の基礎概念の実践的利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530678
研究機関千葉大学

研究代表者

鎌原 雅彦  千葉大学, 教育学部, 教授 (90169805)

研究分担者 蘭 千壽  千葉大学, 教育学部, 教授 (90127960)
中澤 潤  千葉大学, 教育学部, 教授 (40127676)
大芦 治  千葉大学, 教育学部, 准教授 (30289235)
岩田 美保  千葉大学, 教育学部, 准教授 (00334160)
キーワード学校心理学 / 現職教員 / 学習性無力感 / 事例分析 / テキスト分析
研究概要

本研究は近年の学校心理学への関心の高まりの中で,学校心理学の基礎をなす心理学的な知見が現職教員や学校心理士の間でどのように理解され,その有用性が認知されているかについて検討し,それらが実践と有機的に結びつき現場の教員にとっても真に有用なものとなる方策を探ろうというものである。予備調査に基づき,動機づけ概念、特に学習性無力感概念について取り上げ,それらの概念が教育実践の側にある現職教員のなかでどのような体験事例と関連づけて理解つれているかを調査により明らかにしようとした。教育現場での事例に関する138の自由記述のテキスト分析を行った結果,以下のカテゴリーを得た。学習カテゴリー32レコードは、一般的な学習を反映している。授業カテゴリー47レコードであり、教科では算数及び数学が21レコードでもっとも多く半数近くを占めている。算数・数学が無力感を形成しやすいことが伺えた。試験・課題カテゴリーは、おもに試験18レコードとその成績11レコード及び課題8レコードからなる。評価カテゴリーは、結果15レコードの他、よい28レコード、低い9レコード、悪い7レコードなど評価的な語からなる。動機づけに関連するカテゴリーとして、無力感は、40レコードで使用されていた。意欲カテゴリーは、おもに積極的な動機づけを示すやる気27レコードからなる。また自己カテゴリーは、自己30レコードの他、自信12レコード、劣等感・苦手意識計7レコードを含み、自己および学習に対する自己の意識を反映していると思われる。能力カテゴリーは、能力10レコード及び学力4レコード等からなる。一方教師・指導カテゴリーは。教師21レコードと指導及びそれを含む語9レコードで構成された。その他友達、問題のカテゴリーも形成され、無力感が友達関係や問題行動等とも関連していることが伺えた。カテゴリー間の共起関係にもとづくネットワーク分析によって、学習への無力感は,学習,より具体的な授業や試験の成果に対自己及び他者の評価とそれにもとづく自己についての考えによって形成されること,また教師の指導的な関わりは,授業,評価の他,自己概念にも影響している可能性が示唆された。また学習性無力感の考え方を適用できると思われる事例は,さまざまな理論的観点から理解可能な事例が示され,学習性無力感の概念の拡張や他の理論との統合的理解の可能性が事例から示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 動機づけ関連概念について現職教員がイメージする教育実践事例の分析-学習性無力感概念について-2011

    • 著者名/発表者名
      鎌原雅彦・大芦治・金子功一・岩田美保・中澤潤・蘭千壽
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部紀要

      巻: 59 ページ: 151-157

  • [学会発表] 現職教員が動機づけ関連概念からイメージする事例の分析-内発的動機づけ,学習された無力感を例に-2010

    • 著者名/発表者名
      金子功一・鎌原雅彦・大芦治・岩田美保・中澤潤・蘭千壽・三浦香苗
    • 学会等名
      日本教育心理学会第52回総会発表論文集
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2010-08-28

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公開日: 2012-07-19  

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