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2011 年度 実績報告書

複数テキスト読解を介して論争的ディスコースに参加する力の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21530680
研究機関静岡大学

研究代表者

小林 敬一  静岡大学, 教育学部, 准教授 (90313923)

キーワード論争的な複数テキスト / 批判的統合 / 書かれた論争への参加 / 論証文産出 / 高次リテラシー / 大学生 / テキスト処理
研究概要

本年度は,次の3点を実施した。
1.複数テキスト読解を介して論争的ディスコースに参加する上で大学生にどのような問題があるのか明らかにし,またその問題に対処する方法を探る手がかりを得るために,昨年度末,大学生を対象に論争的な複数テキストを読んで論証文を産出してもらう実験を実施した。本年度はその実験で得られたデータを「書かれた論争への参加」という観点から分析した。分析の結果,多くの大学生にとって複数テキストの著者同士を適切に関連づけて自分の意見を述べることが難しいこと,読解中に複数テキスト間関係をどう理解したかがそれに影響することが示された。この研究で得られた成果は「教育心理学研究」に掲載予定である。
2.大学生が複数テキスト読解を介して論争的ディスコースにどう参加するか(そのための能力やスキル)は,高校までの間に彼らが受けてきた学校教育経験に大きく左右されると考えられる。そこで,昨年度から本年度にかけて,複数テキスト処理に関する彼らの学校教育経験を明らかにするための一環として,小学校から高校までの国語の学習指導要領とその解説を対象にした分析を行った。分析の結果,(1)小学校中学年から高校まで複数テキスト処理(批判的統合または比べ読み)が指導事項や言語活動例としてとりあげられていること,(2)しかし,それら指導事項や言語活動例が必ずしも複数テキスト処理能力・スキルを高めるような形で体系化されていないことが明らかになった。この研究で得られた成果は「静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学篇)2012年」に掲載された。
3.批判的統合モデルに沿って3年間で行った研究成果を整理し,複数テキスト読解を介して論争的ディスコースに参加する力とその力を養う上でどのような方法が考えられるかについてまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 初等・中等教育における複数テキストの利用-新学習指導要領(国語)とその解決の分析-2012

    • 著者名/発表者名
      小林敬一
    • 雑誌名

      静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学篇)

      巻: 43 ページ: 65-70

  • [学会発表] 書かれた論争への参加-論争的な複数テキスト読解とそれに基づく議論文の産出-2011

    • 著者名/発表者名
      小林敬一
    • 学会等名
      日本教育心理学会第53回総会
    • 発表場所
      北海道立道民活動センターかでる2・7(札幌市)
    • 年月日
      2011-07-24
  • [備考]

    • URL

      http://ir.lib.shizuoka.ac.jp

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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