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2009 年度 実績報告書

絵本の選択がADHD児の読み聞かせに及ぼす効果についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530682
研究機関滋賀大学

研究代表者

近藤 文里  滋賀大学, 教育学部, 教授 (00133489)

キーワード発達障害 / ADHD / 絵本 / 読み聞かせ
研究概要

本研究はADHD児を対象としたときの絵本の読み聞かせをいかに効果的に進めるか、という問題について絵本の選択という点に重点をおいて検討したものである。そこで、5年計画の第1年次に当たる21年度においては以下のことを実施した。すなわち、絵本の集団読み聞かせ場面のビデオ分析から、1場面完結型の絵本か、連続する場面で構成される絵本かについて比較したところ、ADHD児のみならず健常幼児においても1場面完結型の絵本への注意が喚起されやすいことが明らかとなった。
このことは、視点を分析した結果においても、発話を分析した結果においても認められた。まず、視点に関しては、「絵本ないしは読み手を見ている」、「他の子どもを見ている」、「先生を見ている」、「それ以外を見ている」という指標を設けて分析したところ、絵本の構成の違いにより、これらの頻度が異なり、連続場面で構成する絵本へは注意が困難なことが明確になった。
また、発話に関しては「絵本の内容に関連した発話」、「声による感情表出」、「友達と絵本のことで話し合う」、「友達と絵本のこと以外で話し合う」という指標を設けて比較したところ、ADHD児は「友達と絵本のこと以外で話し合う」以外の指標で1場面完結の絵本の方が連続場面で構成された絵本より反応頻度が高いことが認められた。この結果は絵本の内容をよく理解していることによると考えられた。
一方、身振りに関して、「感情の身体化」、「多動傾向を示す動作」(立ち歩きなど)、「対象操作を伴った行為」、「絵本の内容を理解した行動」、「絵本内容への拒否ないしは無関心」(無関心を示す行為、あくびなど)について比較したのであるが、視点や発話ほど顕著な差異は認められなかった。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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