本研究は、ADHD児に対する絵本の読み聞かせで絵本の選択の効果を検討したものである。実験では、発達年齢で2歳台から5歳台のADHD児を用い、集団での読み聞かせ場面をビデオ録画した。そして、子どもの視点、発話、動作の詳細な分析にもとづいて、読み聞かせ中の注意機能を調べた。 その結果、一場面で1つのエピソードが完結する絵本は、連続場面で物語が構成される絵本よりも注意を集中しやすいとは必ずしも言えないこと。次に、1回目の読み聞かせで注意を集中させることができなくても、再度同じ絵本を読み聞かすことで、注意できるようになること。さらに、絵本におけるオノマトペの効果は4つあること、が明らかになった。
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