23年度は10月に量的な質問紙調査、ならびにその後に対象者を募り面接調査と未決定者への意思決定支援を行った。 量的な調査からは、選択肢への志望に対して「興味」の要素が非常に強く影響していること、また「能力」「実現可能性」の要素とはほぼ無関係であることが明らかとなり、進路選択における個人性の要素(やりがいが感じられる、楽しく働ける)に選択理由が偏重しているという問題が明らかになった。 しかし質的な調査、ならびに意思決定支援からは、「能力」「実現可能性」が彼らの志望に大きなブレーキをかけていること、それが教員志望者においては教育実習における他者比較から由来していること、しかしうまくいかなかったという結果が、「だから頑張ろう」「努力して克服しよう」ではなく、「向いていない」という思考にスライドすること、他の選択肢との間で迷っていても、それらの選択肢を調べるなどの探索行動には至らず、実際の情報を元に決めようとする志向が弱いことが明らかになった。 以上のことを踏まえて意思決定の支援に際しては、選択肢の比較や具体的な情報の探索、あるいは「向かない」と彼らが考える部分の精査と今後の行動をまずは指示的に探索させ、意思決定へのロードマップの提示をするなどの策が提起された。
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