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2009 年度 実績報告書

超低出生体重児における軽度発達障害の初期徴候とリスク因子に関する心理・行動研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530685
研究機関大阪大学

研究代表者

金澤 忠博  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30214430)

キーワード超低出生体重児 / 学齢期 / 自閉症スペクトラム / ADHD / 学習障害
研究概要

大阪府立母子保健総合医療センターにて,1996年6月~2002年5月の間に生まれた平均年齢9.3±1.8歳の超低出生体重児82名(極低出生体重児12名を含む)(男38名;女45名)(平均出生体重820±205g;在胎期間27.1±2.5週)と,対照群として平均年齢9.6±1.4歳の兄弟姉妹7名(男4名;女3名)(出生体重3003±236g;在胎期間39±1週).を対象に,.2009年7月19日~9月29日の毎週土曜日あるいは日曜日に検診を実施した.他に3名の低出生体重児が受診したが,分析からは除外した.用いた主な尺度としては,認知レベルはWISC-III,学習障害は児童評定尺度(PRS)(母親による評定)(森永・隠岐,1992)とLDI(担任教師による評定)(上野ら,2005),自閉症スピクトラムはASSQ(Ehlers et al.,1999;井伊ら,2003)を用いた。Conners評定尺度,ADHD-RS(DuPaul et al.,1998),CBCL(AChenbach,1997)により,ADHDとADHD関連の行動問題を評価した。他には,HOMEによる家庭環境の評価,VMIによる視覚運動協応の検査,MCTQ(佐藤・古田,1989)による気質の評価,母親に対する愛着尺度(本多,2002),動的家族画なども実施した.その結果,超低出生体重児82名中、自閉症スペクトラム(ASD)が10名(12.2%)、学習障害(LD)が18名(22.0%)、境界知能(70≦IQ≦79)が7名(8.5%)、知的障害(MR)が5名(6.1%)、定型発達(TD)が42名(51.2%)であり,自閉症スペクトラムは通常の10倍,学習障害も通常の5倍と高い出現率であることがわかった.また,注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状が見られた児は37名(45.1%)でこれも通常の約10倍の出現率であった.一方,対照群の7名いついては,学習障害が2名,境界知能が1名,ADHDが1名であったが,学習障害とADHDを併発した1名の男児は,検診では陰性であったが,過去に,自閉症スペクトラムの診断を受けていた.弟は自閉症スペクトラムであった.成果の一部は国内の3つの学会で6演題発表し,3月末の日本発達心理学会で4演題,5月の国際学会で1演題発表を予定している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 学齢期における超低出生体重児の発達障害と心理検査場面における行動特徴~自閉症スペクトラムを中心に~2010

    • 著者名/発表者名
      金澤忠博・安田純・北村真知子・加藤真由子・河原崎智春・糸魚川直祐・日野林俊彦・南徹弘・藤村正哲
    • 学会等名
      日本発達心理学会第21回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] 超低出生体重児の学齢期における愛着スタイルと発達障害の関係2009

    • 著者名/発表者名
      金澤忠博・北村真知子・北島博之・藤村正哲
    • 学会等名
      第54回日本未熟児新生児学会・学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-01
  • [学会発表] 学齢期における超低出生体重児の心理・行動 その56.自閉症スペクトラム・学習障害・ADHDの行動指標と初期徴候2009

    • 著者名/発表者名
      金澤忠博・山本悦代・安田純・北村真知子・日野林俊彦・南徹弘・藤村正哲
    • 学会等名
      日本心理学会第73回大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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