学級介入方法の具体化と評価の視点について、探索的な検討を行った。実践研究とその工夫に関して、学校危機後の生徒の心理的特徴について、教職員を対象にした心理教育を実施した。資料を作成し、事件の影響のある生徒の理解の仕方、日常の基本的な対応と緊急時における対応についての理解を進めてもらった。また、教員とカウンセラーとの定期的なミーティング(基本的に、週に1回、1~2時間)を行いながら、授業中、学校行事、部活等の時間帯の生徒の様子についての情報を共有し、配慮の必要な生徒の理解をすすめ、適切な支援のあり方について協議した。また、授業中に取り扱う教材や、授業内容について、生徒の状況を配慮した形で実施できるように、教材の検討や実施時期の検討について協議した。学校生活の状況について、全般的に状況を把握することを目的として、学校における安心感や安全感を測定する項目を含む質問紙調査を作成して実施し、学校の生活環境についての評価を行った。特に、友人関係では、助言や援助が得られたり、相談に乗ってくれる友だちがいるという結果、放課後の活動は安全だという結果が得られた。さらに、学校危機メンタルサポートセンターのトラウマ心理相談室と連携して、学校危機時に利用可能な学校関係者向け、保護者向けの心理教育のパンフレットを訳出し作成した。その際には、アメリカで作成されている学校関係者や保護者向けのPFA;Psychological First Aidsの資料の収集を行い、作成の際の参考資料とした。
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