研究課題
学級介入方法の具体化と評価について、継続的に検討を行ない、支援の実践を進めた。学校における教育実践への支援として、学校危機後の生徒の心理的特徴について、年度初めに、教職員を対象にした心理教育の研修を実施した。事件の影響に関する資料をもとに、事件の影響のある生徒の理解の仕方、日常の基本的な対応と行事や校外活動における対応の進め方、緊急時における対応についての理解が進むように研修を行った。また、教員側にはメンタルサポートコーディネーターという役割を設置し、学年主任、管理職とカウンセラーが参加する定期的なミーティング(基本的に、週に1回、1~2時間)を行いながら、授業中、学校行事、部活等の時間帯の生徒の様子についての情報を共有する仕組みを確立した。こういった協議を通じて、配慮の必要な生徒の理解をすすめ、適切な支援のあり方について検討した。また、授業中に取り扱う教材や、授業内容について、生徒の状況を配慮した形で実施できるように、シラバスの作成と点検を通じて、教材の検討や実施時期の検討について協議または助言した。学校生活の状況を全般的に把握することを月的として、昨年度から継続して実施してきている学校における安心感や安全感を測定する項目を含む質問紙調査を行い、学校の生活環境についての評価を行った。本年度も生徒の生活環境は良好であり、友人関係では、助言や援助が得られ、相談に乗ってくれる友だちがいる、放課後の活動は安全だという結果が得られた。中・長期的支援の実践から得られた知見は、学校危機メンタルサポートセンターのトラウマ心理相談室と連携し、学校危機時に利用可能な学校関係者向け、保護者向けの心理教育の資料の作成に活用し、災害時に利用できるよう準備した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
児童心理
巻: 65(3) ページ: 86-92
学校危機とメンタルケア
巻: 3 ページ: 35-46
Journal of School Violence
巻: 10(1) ページ: 13-33