研究課題/領域番号 |
21530696
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
庭野 賀津子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (30458202)
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研究分担者 |
佐藤 久美子 玉川大学, リベラルアーツ学部, 教授 (60154043)
梶川 祥世 玉川大学, リベラルアーツ学部, 准教授 (70384724)
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キーワード | 対乳児発話 / 言語獲得 / 発話機能 / 発話交代 / プロソディ / コミュニケーション発達 / 母子相互作用 / 乳児の性別 |
研究概要 |
本研究の目的は、母子相互作用における母親と乳児との発話交代の形成がどのように成立していくのかという問題を解明するため、母親による対乳児発話(IDS)の変化と乳児の反応を縦断的に調査し、IDSによる言語情報・非言語情報の特徴が、乳児の反応の表出にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。 最終年度である平成23年度は、平成21~22年度に実施した、乳児が生後6~18カ月の間における母子相互作用の縦断的研究を継続するとともに、これまでに得られた結果をもとに、乳児と母親による母子相互作用場面において、母親の対乳児発話(IDS)の機能および音響的特徴が、どのような要因によって、変化するのかを調べた。そして、発話交代形成過程の成立のために、それらの変化がどのように寄与しているのかを検討した。研究の結果、乳児の月齢、性別、出生順位、応答性、母子相互作用が行われている場面のいずれもが、母親のIDSの発話機能と音響的特徴の両面に変化を及ぼす要因となり得ることが明らかとなった。そして、それらの要因の影響を受けながら、母親はIDSを調整し、子の発話を引き出すようなIDSを用いて話しかけながら、子との発話交代の形成を促進していくことが示された。これらの研究成果は、国内外の学会や論文にて発表された。 本研究で得られた知見は、円滑な母子相互作用を促進するための育児支援、乳児のコミュニケーション発達の解明、知的障害・自閉症等の障害に起因するコミュニケーション障害のある幼児への指導法開発に寄与する基礎資料となることが期待される。
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