研究概要 |
本研究は、児童の学習意欲や友人関係形成意欲、学級活動意欲を向上させる学級集団形成のモデルを開発することが目的である。 本年度は研究を計画通りに展開することができた。内容は下記のとおりである。(1)学級集団の状態と児童の学習意欲・友人関係形成意欲・活動意欲との関係、学級集団の状態を規定する要因を、1年の中で4回にわけて調査・分析した。(2)4回の分析結果を時系列の中で整理し(このとき学級集団の変化を成熟というプラス方向だけではなく、成熟-後退という両方向で整理する)、学級集団のいくつかの発達過程とそれを規定する要因を見出した。(3)その中から目的とする学級集団形成の発達モデルを抽出し、各段階ごとの学級集団の状態を規定する要因を整理し、一覧にまとめた。(4)以上のプロセスを通して、児童の学習意欲や友人関係形成意欲、学級活動意欲を向上させる学級集団の状態とその発達過程、それを規定する要因を見出し、学級集団形成のモデルを概ね作成することができた。 さらに、上記の質的な調査のみでなく,量的な調査も行った。質的調査の結果,明らかになった内容を量的調査として尺度項目を作成し,データを収集し,入力,分析,整理を行った。調査対象学級の、学級集団の状態を規定する要因として、児童相互の対人関係の状況、小グループの実態、学級内に定着している規範やソーシャル・スキルの内容、教師の行った指導行動の要因を来年度以降さらに分析,検討していく予定である。
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