初年度として県教育委員会に協力を依頼して、共同研究チームを立ち上げた。すなわち、管理部省、義務教育課長、高等学校課長、教職員課長、総合教育センター部長のほか、校長を2名研究員として会合を重ねることとなった。 研究の実績は、大きくは三つである。 第一の研究実績は、本県における「教師のキャリア形成」の現実を踏まえるために、実態報告書を書き表すことであった。これは論文を完成しているので、平成22年度の椙山女学園・教育学部紀要に掲載することになっている。 第二の実績は、教師のキャリア形成について、二十代から五十代にいたる生涯を見渡して、「キャリア形成モデル」を作成したことである。これには、「専門職トラック」と「管理職トラック」の双方を包含するとともに、もう一つの重要な視点として、三十代の半ばに、教師のすべてが目ざさねばならない「中期」の目標を取り入れたことである。その上に立って、「「専門職モデル」と「管理職モデル」が実施される、という考え方をとることにしている。これが当初の案にはない新しいモデルとなっている。 弟三としては、「キャリア形成モデル」を実証的に検証するために、一度に大数の調査を実施するよりは、少数の適切な被調査者を選んで、モデルを深く検討し提言をしてもらうことにした。これは次年度の当初の課題である。
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