研究概要 |
1. 23年度の研究計画と結果 23年度の研究計画として,以下の(1)~(3)の遂行を検討していた。 (1)縦断的な質問紙法実施による量的研究の継続:前年度に引き続き,学業遂行に影響する要因を検討するため,調査を実施する。(2)半構造化面接の実施:面接調査を行い,量的調査だけでなく,質的な側面からも検討を行う。(3)モデルの検証と仮説の見直し:3年間の研究結果を踏まえて,本研究の仮説モデルと照らし合わせ,モデルの検証を行い,総括を行う。 このうち,(1)(3)については当初の計画通り遂行を行ったが,(2)については,面接における抽出の要件に完全に合致する対象者がごく少数となり,量的調査の妥当性を明らかにすることは難しいと判断し,23年度は調査研究の総括を中心に行った。 2. 23年度に実施した具体的内容 23年度についても,23年7月と24年1月の2回にわたって,21年度に入学した学生を対象にした縦断調査を実施した。21年度,22年度は主に学業遂行,学習意欲に及ぼす規定要因について,授業要因の側面を中心に検討してきたが,23年度については,アイデンティティの要因を分析に加え,学生の心理・社会的発達が学業遂行や学習意欲にどの様に影響しているのか,検討を行った。また,3年間で7回の調査を実施してきたが,それらの結果を縦断的に分析し,結果の検討を行った。 23年度は,日本教育心理学会第53回大会で研究発表を行い,様々な意見交換を行った他,京都ノートルダム女子大学紀要(42号)やプシュケー(11号)で論文発表を行った。 3. 23年度の成果の公開について 23年度の成果については,2012年9月に行われる日本心理学会第76回大会にて発表することが決定している。また,23年度の研究成果は,研究誌に投稿すべく,現在準備を進めている。
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