研究課題
基盤研究(C)
現代社会において重要性を増す感情労働は労働者にバーンアウトをはじめとしたネガティブな影響を及ぼすことが指摘されている。その一方で、それらの影響をいかにして低減するかという具体的な介入方略の提言はほとんど行われていない。本研究では、感情労働者はストレスフルな感情統制を職業上回避できないという前提に立ち、介入可能性を探るため、感情労働プロセスの再検討を行った。また、感情開示方略を応用して感情労働者のバーンアウト低減を試みる介入的検討を実施した。この結果、感情労働者にとって、感情労働の事後的な影響プロセスである副次的プロセスおよび、その際に生じる副次的感情が、バーンアウトに大きな影響力を有していることが示された。また、筆記開示方略を応用し、副次的感情の開示を行う実験手続きを試みた結果、副次的感情を開示した感情労働者のバーンアウトや感情的不協和得点が低下する結果が得られた。これらの結果から、感情労働における副次的プロセスの重要性と、ネガティブな影響を低減させる一方略として、副次的感情に着目した感情開示の活用の有効性が示唆された。
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感情労働の諸相-表層演技, 深層演技と副次的プロセスに着目して-
巻: 39 ページ: 45-56
心理学研究
巻: 80 ページ: 295-303
感情心理学研究