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2010 年度 実績報告書

日本陸軍における戦争神経症-国府台陸軍病院『病床日誌』の研究-

研究課題

研究課題/領域番号 21530715
研究機関埼玉大学

研究代表者

細渕 富夫  埼玉大学, 教育学部, 教授 (10199507)

キーワード日本陸軍 / 戦争神経症 / トラウマ
研究概要

本研究はアジア・太平洋戦争期の日本陸軍兵士に発症した戦争神経症(戦時神経症)の実態を国府台陸軍病院『病床日誌』の分析から明らかにしようとする研究の一環として取り組んだものである。
(1)戦争神経症に関する関連資料の収集
日本国内の戦争記念館、戦災記念館、平和資料館等に所蔵されている戦争神経症関連資料を収集した。今年度は空襲時の市民に現れた神経症様の反応についての資料に焦点を当て、秋田の土崎空襲、埼玉の熊谷空襲に関する手記・資料を収集した。空襲時のストレス反応は多岐にわたるが。「恐怖反応」が持続するケースが最も多い。市民に見られる恐怖心は国民全体の戦闘意欲の阻害要因として働く。したがって、政府が国民の戦意高揚をはかり、戦闘行動を維持していくには、この恐怖反応にどのように対処するかは、戦争継続にあたって重要な課題となった。
(2)国府台陸軍病院『病床日誌』の分析
戦争神経症関連疾患(反応性精神病、神経衰弱)の記録について重要事項の入力作業を行った。事項としては「原因経過」欄を中心に、発症原因、状況、周囲の対応、診断、還送経過等を中心に入力し、全体としての傾向を分析した。
(3)戦争神経症の症例分析
日本兵に発症した戦争神経症について仮説的に類型化を試みてきたが、ここでも反応性精神病、神経症の症例について、各類型に即した特徴が見られるかどうか検討を行った。全体としては、ほぼ類型化を変更しなければならないような症例は認められなかった。

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公開日: 2012-07-19  

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