1)成果発表 「達障害児の母親の心理的体験~早期に療育相談を受けた母親を対象に~」(平成22年9月4日、第45回日本発達障害学会):就学前の発達障害(広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害等)の子どもをもつ母親6名を対象とした半構造化面接インタビューをKJ法により分析。その結果、「子育てに両価的な想いを抱きながら奮闘する」親は医療・療育機関に関わることにより「"母"への支えを築いていく」プロセスを歩み始め、同時に園や療育機関、社会に働きかけて「子どもを守り育む環境を求めていく」。この過程で、母親自身が少しずつ「自分ケアを見つけていく」作業もなされていた。 2)発達障害の親のQOLと関係要因についての調査 対象:LDを中心とする発達障害のある小学生・中学生の子どもをもる父親・母親(全国LD親の会を協力者とする)250名に協力依頼 方法:質問紙(子どもと家族、支援リソース、父親・母親のQOL)郵送式結果解析中 3)インタビュー調査 白百合女子大学発達臨床センター、T大学付属病院小児科、Y県における発達障害児親の会において、両親または母親を対象とし、障害の特徴と関連した発達障害児の養育上の困難や社会適応の困難の実態、必要としている支援内容等に関する面接調査を行った。その結果、教育機関及び専門機関の支援に加えて、両親と家庭の長期支援の継続が、発達障害児の思春期から成人期にかけての発達に重要であることが示唆された。
|