研究概要 |
平成21年度は,行動観察法と質問紙法により,思春期の子どもをもつ母親の望ましい養育態度の認知と行動のあり方について検討すること,また,質問紙法を用いた思春期の子育て支援プログラムを実施し,その効果について検証することを目的とした。実施した内容は以下の通りである。 1.郵送による質問紙調査平成18年度より継続して研究協力をしていただいている青年とその母親に対して,質問紙調査を実施し,子どもの成長に対する親の認知・感情,養育態度,子どもの自尊感情,不適応感等の関連について縦断的変化を検討した。 2.母子の言語的コミュニケーションに関する行動観察および質問紙調査中学生とその母親23組に対して集団意思決定課題を実施し,その会話の特徴と母親の養育態度,子どもの愛着,自尊感情,不適応感との関連について検討した。 3.中学生の子どもをもつ保護者を対象にして,養育態度を測定する心理尺度(質問紙)を用いて自己理解を深める子育て支援プログラムを実施し,そこでの効果について検討した。 以上,3つの研究活動を通して,思春期の子育て支援において重視すべき親の養育態度の様々な指標を抽出した。また,子育て支援プログラムにおいて使用する視聴覚教材を開発するために必要な母子の言語的コミュニケーションのパターンに関するサンプルを収集することができた。今後も子育て支援プログラムの開発において必要なデータを収集していく予定である。 また,これらの研究活動に関連した成果の一部を,3つの国内外の学会(日本家族心理学会,日本発達心理学会,Society for Research on Adolescence)で発表した。
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