本研究は、心理検査を用いたアセスメント(臨床心理査定)のプロセスに注目し、アセスメントの結果として得られた所見をクライエントやその関係者にどのようにフィードバックするか、的確なフィードバックをするにはどのようなアセスメント・スキルが必要とされるのかを明らかにすることを目的としている。 前年度に引き続き、アセスメントに関する知見の収集が主となった。日本心理臨床学会第29回大会ワークショップ「心理アセスメント各論-心理検査の報告書の書き方」(講師:加藤志ほ子氏)等に参加し国内の専門家との意見交換を行ったほか、研究代表者が開催する研究会で事例検討を通して、ベテラン臨床家および初心臨床家からフィードバックをめぐる考えや実践での工夫についてインタビューした内容、研究代表者・分担者の担当授業(学部・大学院)における初心者の所見レポート作成過程の観察内容を蓄積する作業を行った。結果の分析は次年度に予定している。 研究発表として、アセスメント教育に関する体験学習の効果について国際学会にてポスター発表、現状と課題をめぐる研究集会における指定討論を行ったほか、描画、ロールシャッハ法などの基礎研究(論文、発表)を通して、アセスメント結果の活用について検討した。
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