研究概要 |
本研究は中学生の無気力感のパターンを検討し,そのパターン別の援助について検討することが第一目的である。この目的のために21年度はまず研究内容に関する最新の文献研究を行った。またあわせて,現場での調査やインタビューの実現可能性を検討するために,市区町村の教育委員会に研究計画を持参し,調査協力校を募った。そしてその結果決定した調査協力校の管理職・生活指導主任教員との打ち合わせを行った。その際,現場教師の多忙性が語られたため,調査による負担を軽減するために,無気力感パターン分析の妥当性の検証に用いる予定であった担任教師による生徒の行動評定をやめ,生徒によるインタビュー調査あるいは自由記述調査による妥当性の検証のみ実施することになった。一方で,当初予定していた動機づけ優位型無気力感・認知の歪み優位型無気力感パターンのみの検証研究ではなく,第1回目の調査によるクラスター分析の結果に基づき,新たな無気力感パターンも探索することとした。また抽出したパターン別に,生徒のインタビュー調査あるいは自由記述調査の結果に基づき妥当性の検証を行った上で,当初1回の予定であった生徒へのアンケート調査を1学期1回年間計3回に増やし,1回目の無気力感パターンが年間を通じてどう変化するのかに関しても,援助プログラムを作成するにあたって必要と判断し,検証することとした。現在は調査協力校へ質問紙を送付し,第1回目のアンケート調査を実施していただいている最中である。今後であるが,現在調査をしていただいている学校がどちらかというと指導困難校であるため,生徒の様子が比較的落ち着いている対照的な調査協力校を探すことが課題である。
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