1)健康感、食行動、食習慣、身体感覚、対人コミュニケーション、自己意識等の関連研究について、感情、身体性、人間関係などの幅広い視野から文献資料を収集した。 2)これまでに実施した思春期の学生に対する調査(食事の様子、食の嗜好、現在の食生活への満足度健康習慣、ストレスマネジメントなど)結果をまとめた。さらに、幼児の家庭における共食状況を明らかにすることと、その背景として母親の食事に対する意識がどのように関連しているかを探るために、幼児の食行動や親子関係、幼稚園での弁当や給食に対する考え方、親子の食べ物の好き嫌いの比較などから、幼児期の食生活を観察、調査した。幼児へのインタビュー内容は、親と一緒に食事する(共食)ときの様子、食事に対する評価、親子関係、精神的な健康感などに関する質問であり、母親には質問紙を配布した。質問の内容は、子どもの食行動、弁当と給食に対する考え方、子どもの食べ物の好き嫌いに関する項目などであった。 3)現段階での分析結果としては、幼稚園児が親と一緒に食事する傾向は、平日と休日で違いがみられ、平日には家族全員で一緒に食事する頻度は低く、一方、休日には全体的に家族で一緒に食事する頻度が高い。特に休日の夕食については、多くの家庭で家族そろって食べていた。また、食事全般に対する意識が高いと思われる母親の家庭では、家族全員そろうことが難しい平日の朝でも、家族そろって一緒に食事できるように配慮していることがうかがわれた。 観察・調査を対象とした家庭では、平日・休日ともに特に朝食を重要視し、休日は朝食、昼食、夕食を通して食事の場面を家族団樂の場として考えていることが推測される。食事の様子に影響する要因は、母親の食事に対する意識からだけではなく、関連する要因は多数あると思われる。詳細な分析については現在進行中である。
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