研究概要 |
〔目的〕東洋的代替医療の抑うつ低減・予防効果を検証する。〔方法〕マインドフルネス瞑想群、認知行動療法群、操体法群、コントロール群の4群で8週の健康維持プログラムが実施された。技法効果は介入前後の心理指標(SES-D、WHO-QOL25、Big5他)、および生理指標(唾液アミラーゼ活性)で評価された。同時に昨年度(第1クール)および本年度(第2クール)の8週間健康維持プログラム終了者でかつ同意が得られた協力者に対し3カ月毎の定期的ブースターセッションの実施と一部協力者には各技法の脳機能への影響を検討するため磁気共鳴画像計測(f-MRI)で脳機能活性状態を評価した。〔結果〕1)マインドフルネス瞑想(技法群N=13、統制群N=11);気づき、受容、脱中心化と抑うつの関連性の内、受容と抑うつに有意な負相関(r=.458,p<.05)、脱中心化と抑うつに有意傾向の正相関(r=.384,p<.10)が認められた。2)8週間健康維持プログラムの抑うつ低減効果、気づき、受容、脱中心化の関係;脱中心化では群と時期に有意な交互作用(F(1,18)=13.90,p<.01)が見られ本プログラムの脱中心化に対する有効性が示唆された。なお1)2)は第1クールのマインドフルネス瞑想群およびコントロール群のデータを用いた。3)操体法群(技法群N=24、統制群N=20);抑うつ状態(CES-D得点)とQOL得点に有意な逆相関が認められた(プログラム前:r=-.496,p<.01、プログラム後:r=-.660,p<.01)。CES-D16点以上・未満に分け、群別(操体法群・統制群)と抑うつ別(高うつ群・低うつ群)の比較からプログラム前後のCES-D変化率(post-pre/pre)は有意差が認められず、QOL得点変化率で有意傾向の改善が認められた(F(3,40)=2.74,p<.10).
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