セルフ・コントロール(SC)は、一般に、「自分の行動を自分で操作、統制していくこと」と定義されるように、従来の研究では自己完結的な行動としてとらえられることが多かった。本研究では、ここに他者の存在を活用した行動の自己制御という視点を取り入れ、SCにおける社会的随伴性の役割について検討した。その結果、(1)日常場面で実行されるSCは「自己完結型」と「他者介在型」の2つに分類できること、(2)どちらも困難度の高い状況で強まること、(3)他者介在型のSCは、標的行動への取り組み頻度を高める効果を有することが明らかになった。
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