高齢者のうつ予防のための心理教育の高齢者における効果 京田辺市内の5地区の在宅の65歳以上の高齢者を対象に行ったうつ予防のための心理教育の効果を、知識、自己効力感、気分、生活習慣の観点から検証した。その結果、いずれにおいても介入の効果が認められ、介入後1ヶ月後にも効果が維持されていた。そのため、本研究での介入が高齢者のうつ予防に有効であることが示唆された。 一方で、地域住民の生活環境や成育歴が効果に影響しており、プログラムの検討にはこのような個々の参加者の特性を考慮する必要があることも明らかとなった。 (2)高齢者のうつ予防のための心理教育のスタッフにおける効果 高齢者のための心理教育プログラムに参加した学生スタッフにおける参加の効果を、知識、自己効力感、気分から測定したところ、高齢者と同様に参加の効果が認められた。 以上の結果から、地域と大学との連携による高齢者への介入は、対象者、参加者ともに気分に関連する変数での効果が期待される。高齢期のうつ、自殺を予防するうえでも、うつ予防の啓発を目的としたプログラムの必要性が示されたといえる。
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