本研究の目的は、心身障害、認知症等を主として高齢者領域で開発を行ってきた「音楽療法評価表(MTCL-YK(S)」を用いて、リハビリテーション病院等の医療領域においても適用可能な評価表として改訂・開発を行う。その際、当該領域において有効な音楽療法プログラム・技法についても平行して検討することであった。本研究における平成24年度の研究計画は、 1、修正されたMTCL-YK(S)-2による音楽療法効果の測定<調査3・4> 2、音楽療法効果の測定と分析、修正案の確定、であった。 1については、MTCL-YK(S)の医療領域(特にリハビリテーション病院における注意障害に焦点をあてる)での信頼性・妥当性検証と作成された修正案MTCL-YK(S)-2を用いて、音楽療法実践現場において、音楽療法の短期効果の測定(調査3)を行った。そして、2については、音楽療法効果の測定と分析を行い、同時に研究協力者間で、「注意障害」ケースのビデオ記録による行動観察を行い、修正案の下位項目についてのより厳密な修正を検討し、MTCL-YK(DOA)(注意障害用)の完成に至った。 今回、当該病院における入院状況から、注意障害ケースに対して、長期的な音楽療法効果を測定することができなかったが、今後は、MTCL-YK(DOA)を用いて「調査4」にあたる長期効果測定を実施したい。そして、このチェックリストをもとに、「パーキンソン病」に適用可能なバージョンの作成を行っていく予定である。
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