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2009 年度 実績報告書

外傷的事態により近親者を喪った遺族の心理的影響の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530756
研究機関公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構

研究代表者

加藤 寛  公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 兵庫県こころのケアセンター, 副センター長 (80463321)

研究分担者 内海 千種  徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 助教 (90463322)
大和田 攝子  神戸松蔭女子学院大学, 准教授 (10340936)
宮井 宏之  (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構, 主任研究員 (60455558)
キーワード臨床心理学 / 心理アセスメント / 死別 / 悲嘆 / トラウマ
研究概要

近親者の死別を原因とした心理的問題は、これまでは病理性の低いものとして認識されてきた。しかし、遺族の中には激しい悲嘆が遷延し、社会的機能に大きな影響を被る場合がある。とりわけ、犯罪、災害、事故などの外傷的事態で突然に死別した場合は、死者への激しい思慕、探索、怒り、抑うっなどが出やすく、時に臨床的関与が必要になる。こうした悲嘆は複雑性悲嘆(complicated grief)あるいは外傷性悲嘆(traumatic grief)と呼ばれており、DSM-Vなどの診断基準への収載が検討されている。本研究では、こうした悲嘆反応の評価方法について検討した。われわれは、Prigersonが開発した30項目からなる自記式尺度(Traumatic Grief Inventory : ITG)を邦訳しており、その標準化を行うことを目的としている。初年度は、さまざまな死別体験を持つ対象に、自記式質問紙による調査を行った。対象の内訳は、阪神・淡路大震災遺族106名、癌による病死遺族50名、大規模事故・犯罪などが66名である。調査に使用した尺度はITG以外の悲嘆尺度としてlnventory of Complicated Grief(ICG)、PTSD症状の評価尺度として出来事インパクト尺度(IES-R)、うつ症状の評価尺度としてベック抑うつ尺度第2版(BDI-II)、およびQOLを評価するためにSF-8を採取した。その結果、ITGの内部一貫性を示すα値は0.97、ICGでは0.95と悲嘆測定尺度のいずれも高い値を示していた。また、両尺度の再テスト信頼性(κ)は、ITGで0.89、ICGで0.85と高い値であった。このことから、両尺度の信頼性を確認することができた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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