研究課題/領域番号 |
21530756
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研究機関 | 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 |
研究代表者 |
加藤 寛 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 兵庫県こころのケアセンター, 副センター長 (80463321)
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研究分担者 |
内海 千種 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 講師 (90463322)
大和田 攝子 神戸松蔭女子学院大学, 准教授 (10340936)
宮井 宏之 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 兵庫県こころのケアセンター, 主任研究員 (60455558)
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キーワード | 臨床心理学 / 心理アセスメント / 死別 / 悲嘆 / トラウマ |
研究概要 |
近親者の死別を原因とした心理的問題の中で、複雑性悲嘆(Complicated grief)あるいは外傷性悲嘆(traumaticgrief)と呼ばれている状態について、評価する尺度の検討を行:っている。 Priersonがした30項目からなる自記式尺度(Traumatic Grief Inventory:ITG)およびその前駆版であるICG(Inventory of Complicated Grief)について、妥当性および再現性を検討した。21年度は、阪神・淡路大震災遺族106名、癌による病死遺族50名、大規模事故・犯罪などが66名葬対象として、両尺度の内部一貫性の高さおよび、再テスト信頼性(κ)について、検討し十分に高いことが明らかになった。22年度は前年度の調査対象者の中で、再調査に応じた震災遺族47名、病死遺族35名、事故・犯罪遺族26名を対象として、縦断的なデータを収集した。22年度はQOLを外的基準とした基準関連妥当性を検討するために、前年度用いたSF8の詳細版であるSF36を使用した。2年間の調査で明らかになったのは、ITGとICGの差異であり、前者は病的な悲嘆について診断身行うように設計された尺度であるのに対して、後者は悲嘆症状を広くスクリーニングすることを目指した尺度であることが、明らかになった。本年度は、同煮の得られた遣族に面接し、一補足情報を得ることを目指したが、東日本大震災の影響を受けて、一旦面接調査は中断された。再開後も当初の計画から大幅な変更を余儀なくされ、調査対象者は3名のみとなった。今年度は十分なサンプルが得られなかったため、主に面接対象者から得られた意見などについて示した。
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