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2009 年度 実績報告書

意味微分法で抽出される感性次元の脳内基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21530757
研究機関東北大学

研究代表者

行場 次朗  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50142899)

研究分担者 川畑 秀明  慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (70347079)
キーワード感性心理学 / 心理脳科学 / 意味微分法
研究概要

心理印象や感性評価で頻繁に利用される意味微分法(semantic differential method:以下,SD法)により抽出される評価性,活動性,力量性の基本的因子は,様々な文化圏や対象を越えて広く存在することが認められているので,固有の安定した脳内基盤をもつ可能性が極めて高い。ところが,SD法に関連した脳活動を実際に測定した研究は,脳波における事象関連電位よる研究などがあるものの,非常に少ないのが現状である。そこで,OsgoodがSD法を考案してから約50年が過ぎた現在,ニューロイメージング技法を駆使して,E(評価性),A(活動性),P(力量性)の主要な感性次元が所定の異なった脳内基盤を持つことを世界に先駆けて明らかにすることが本研究の目的である。
fMRI(1。5-T, Siemens Vision Plus)を用いて,線画刺激のSD評定中の脳活動計測を行った。その結果,評価性因子に属する形容詞対で評定を行っているときには,下前頭図,眼窩前頭前野などに有意な活性化が見られた。活動性因子に関連する形容詞対の評定では,聴覚連合野に対応する上側頭回周辺や,運動制御にかかわる中心前回,そして空間や方位情報処理に関連するといわれる楔前部付近に有意な活性化がみられた。力量性因子の場合には,左縁上回に活性化がみられた。この付近の領域は音韻や視覚・運動情報の系列的処理や多感覚的処理に関与することが知られている。また,右の上前頭回付近にも活性化が見られたが,この領域は情動(特に痛みなど)の予期に関与することが報告されている。また,俳句に関する印象をSD評定中の脳活動も同様に計測を行った。その結果,素材は異なっても,評価性,活動性,力量性にかかわる評定で,ほぼ同様の脳領域が活性化することがわかった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 臨場感の素朴な理解2010

    • 著者名/発表者名
      寺本渉・吉屈和博・浅井暢子・日高総太・行場次朗・鈴木陽一
    • 雑誌名

      日本バーチャルリアジティ学会論文誌 15

      ページ: 7-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ニューロエステティクス(神経美学)の展開2009

    • 著者名/発表者名
      川畑秀明
    • 雑誌名

      月刊バイオインダストリー 26

      ページ: 90-95

  • [学会発表] 原始感覚の言語化特性2009

    • 著者名/発表者名
      川畑秀明
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-26
  • [図書] 第3章「感性の基本次元と脳内基盤」『知覚と感性』(三浦佳世編著)2010

    • 著者名/発表者名
      行場次朗
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      北大路書房
  • [図書] 第5章1節「美」『よくわかる認知科学』(乾俊郎・吉川左紀子・川口潤(編))2010

    • 著者名/発表者名
      行場次朗
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 第12章「美の知覚」『知覚心理学』(北岡明佳編著)2010

    • 著者名/発表者名
      川畑秀明
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] S3 群2 編9 章「形とイメージ」『知識ベース』(原島博他(編))2009

    • 著者名/発表者名
      行場次朗
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      電子情報通信学会
  • [備考]

    • URL

      http://www.sal.tohoku.ac.jp/psychology/gyoba/gyoba-j.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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