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2009 年度 実績報告書

情動記憶の消去および再固定過程の脳内メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21530758
研究機関筑波大学

研究代表者

山田 一夫  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30282312)

研究分担者 一谷 幸男  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80176289)
キーワード情動記憶 / 条件性場所選好 / ドーパミン受容体 / 再燃
研究概要

本年度は、快の情動記憶について、メタンフェタミン(MAP)によるCPPの習得と再燃におけるドーパミン受容体の役割を検討した。被験体としてWistar-Imamichi系雄ラットを用いた.CPP装置は白黒色の2つの側室と灰色の中央の部屋からなる装置を用いて,まずベースライン測定のための選好テストを行った。被験体に装置内を15分間自由に探索させ,各部屋での滞在時間を測定した.翌日からMAP(1.0mg/kg),生理食塩水(SAL)のいずれかを毎日交互に腹腔内投与し,その直後から一方の側室に30分間放置する場所条件づけを4日間行った.実験1では条件づけの15分前に,D1受容体遮断薬SCH23390(SCH:0.3,0.5mg/kg),D2受容体遮断薬Raclopride(Rac:0.3,0.5mg/kg)あるいはSALのいずれかを腹腔内投与した.条件づけの翌日にベースライン測定と同様に選好テストを行った.実験2ではMAPによる場所条件づけの後,MAP投与なしで,側室のどちらかに毎日交互に30分間放置する消去試行を4日間行い,その翌日に低用量MAP(0.5mg/kg)急性投与よってCPPを再燃させた。低用量MAP投与の25分前に,SCH(0.3,0.5mg/kg),RAC(0.3,0.5mg/kg)あるいはSALのいずれかを投与し,MAP投与の5分後に選好テストを行った。
その結果,Rac群およびSAL群では有意なCPPがみられたのに対して,SCH群ではCPPが成立しなかった.一方,SCH群およびSAL群で低用量MAP急性投与によるCPPの再燃がみられたのに対して,RAC群では再燃がみられなかった.したがって,ドーパミンD1受容体はMAPによるCPPの習得にのみ関与しており,ドーパミンD2受容体はCPPの再燃にのみ関与していることが示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nicotine improves AF64A-induced spatial memory deficits in Morris water maze in rats.2010

    • 著者名/発表者名
      山田一夫, Furukawa, S., Iwasaki, T., 一谷幸男
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 469

      ページ: 88-92

    • 査読あり
  • [雑誌論文] げっ歯類を用いた心的外傷後ストレス障害(PTSD)動物モデルに関する研究の概観2009

    • 著者名/発表者名
      領家梨恵・山田一夫・一谷幸男
    • 雑誌名

      筑波大学心理学研究 38

      ページ: 11-19

  • [雑誌論文] ラットの空間記憶の再固定過程に関する研究の概観2009

    • 著者名/発表者名
      清水誠・山田一夫・一谷幸男
    • 雑誌名

      筑波大学心理学研究 37

      ページ: 1-8

  • [学会発表] Long-lasting effects of traumatic stress on subsequent fear conditioning in rats.2009

    • 著者名/発表者名
      Ryoke, R., Yamada, K., Ichitani, Y.
    • 学会等名
      Society for Neuroscience, 39th Annual Metting
    • 発表場所
      Chicago, IL(アメリカ)
    • 年月日
      2009-10-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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