今年度は、日本とアメリカの両国において以下の調査を実施し、関係資料の発掘・収集を行った。 1.アメリカに起った幼小連携の理念と其の具現化過程に関する先行研究の検討 (1)進歩派の幼稚園教師ブライアン(A.E.Bryan)やヒル(P.S.Hill)等によるフレーベル主義幼児教育の改革運動の実態 (2)デューイ(J.Dewey)による心理的観点と社会的観点の「統合」による幼児教育論 (3)International Kindergarten Union (IKU)の結成とその役割 (4)テンプル(A.Temple)とパーカー(S.C.Parker)による統合教授法開発のための実験 (5)ヒルらによる「コンダクトカリキュラム」開発のための実験 以上の事項に関する先行研究の収集および資料の発掘のために、シカゴ大学レジェンステイン図書館の所蔵文献調査を実施した。 2.大正期に流入したアメリカの幼小連携情報とカリキュラム開発の実態調査 (1)大正期の初等教育関係雑誌にみられるアメリカの幼小連携に関する紹介記事の内容調査 (2) 文部省の幼小連携に関する外国事情調査の実態 (3) 師範学校附属小学校と附属幼稚園における幼小連携の実態に関する事例調査 ・東京女子高等師範学校附属小学校および幼稚園 ・奈良女子高等師範学校附属小学校および幼稚園 ・明石女子師範学校附属小学校および幼稚園 (4) 師範学校附属小学校と幼稚園におけるカリキュラム開発の体制と試行に関する予備調査以上の事項に関する先行研究および資料調査を実施し、関係文献の複写による収集を行った。
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