本研究では、近代日本における幼小連携カリキュラムの理論的背景と実践的特質を明らかにした。アメリカにおいては幼稚園運動に始まった児童中心主義の生活教育の理念がプロジェクト型のカリキュラムとして具現化し、さらにその成果を小学校以上の教育へ取り入れる試みとして進歩主義教育が普及していった。一方、その情報が1920年代の日本に受容されて、いくつかの女子師範学校附属学校園で試みられていたこと、ただし附属小学校側に積極的な導入態勢が無い場合が多く、ほとんどの学校では本来の趣旨は伝わらなかったことなどを明らかにした。
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