研究課題/領域番号 |
21530791
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
山田 雅彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30254444)
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研究分担者 |
池田 修 京都橘大学, 人間発達学部, 准教授 (50434668)
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キーワード | 課題非従事行動 / フォーカス / 自己効力感 / 学級崩壊 / 質問紙調査 |
研究概要 |
平成22年度に実施した全世代の教師を対象とする質問紙調査の分析途上で、本研究が注目しているフォーカス(児童・生徒の注目の対象)に応じて臨機的に教授行動を修正する」ことと教師の自己効力感との間に単純な相関関係が成り立たない可能性が示唆された。一方、平成21年度に実施した初任者対象の調査では、「自己効力感の高い教師ほど児童・生徒のフォーカスに応じない傾向」が見いだされた。両者を総合すると、児童・生徒のフォーカスに応じることができ(傍唱には"毅然と"しておらず)、なおかつ自己効力感の高い(指導力のある)教師が、経験を積むことで出現してくると考えることができる。この仮説をより慎重に検証するとともに、フォーカスと自己効力感との関係のより精緻なモデル化を期して、平成23年度に標本数を増やすための補助的な質問紙調査を実施した。 また、質問紙調査によって存在が示唆された「"毅然と"していないが指導力のある」教師の具体的な像を把握するため、聞き取り調査によって具体的な応答の実例を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は研究成果の公表には至らなかったが、これは、質問紙調査によって自己効力感とフォーカスへの対処方法の間に単純な相関関係が成立しない可能性が示唆されたことに伴い、分析により慎重を期すために、より複雑なモデルの構築に必要な標本数を集めるための補助的な質問紙調査を実施したことによる。分析結果の公表準備は進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査と聞き取り調査の結果は、それぞれ平成24年度中に公表予定である。また、フォーカスに応じることのできる教師を育成するための研修プログラムについては、試行プログラムを受講する現職教員の人数を確保する目処が立たないこと、プログラムの成果を中長期的展望に立って見極める必要があることをふまえて、研究代表者が大学で実施している学部学生対象のプログラムを受講した学生に対する調査によって、プログラムの可能性と課題を明らかにする。
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