研究計画は、初年度並びに第二年度は、文献(先行研究および歴史資料)の収集と分析にあてることとなっている。具体的には、第三共和政教員養成史とビュイッソン研究に関る文献・資料(史料)の収集と分析である。初年度である平21年度は、上記懸隔にもとづき、おもに文献・史料の収集と分析にあてられた。フランス教育史ならびにフランス教員養成史にかかわる先行研究の詳細な収集と調査・分析、ならびにビュイッソンに関する先行研究および史料の収集と調査・分析である。先行研究については、広く教員養成の歴史という観点から、内外の図書(古書)の収集と整理・分析を行なった。ビュイッソンに関しても、先行研究については内外の雑誌論文ならびに図書の収集を行なうととができた。しかしながら、もっぱらビュイッソン関係史料の収集を行なう予定であった資料所蔵先である筑波大学(附属)中央図書が耐震補強改修工事により、閲覧ならびに収集不可能な状態であった。やむなく、補完的に東京大学(附属)総合図書館、東京学芸大学附属図書館などを利用させていただいたが、あくまでも補助的となってしまい、この点に関しては充分な資料収集はできなかった。また、文献・史料の整理と分析、ならびにその一部の公表については、すでに入手できてした第三共和政初期の教員養成改革史関係資料(当時の師範学校教育課程改革に関る法令史料ならびに雑誌史料など)の分析をすすめ、その分析結果の一部について、所属機関の研究紀要に公表することができた。これもまた、本研究課題に関る研究成果の一端である。
|