研究課題
教職倫理の必要性は唱えられながらも、それを具体的にどのように教えることができるのかについては、いまだ明確にされていない。研究代表者はこれまでの研究を通して、ケースメソッド等のアクティブラーニングの学習スタイルが専門職倫理教育の方法として有効であることを明らかにしてきた。さらに本研究では、教職倫理上の諸問題を収集・分析することにより、そうした授業で利用可能な教職倫理教育の体系的教材コンテンツの開発を目指した。以上の目的を達成するために、本研究では次の二点が課題として設定した。【課題1】現代の日本において学校教員が遭遇する倫理的諸問題を収集して体系的に整理する【課題2】教職倫理を教材化する際の留意点を明示し、教育コンテンツを具体化する本年度は最終年度にあたるため、【課題1】に関しては、昨年度に引き続き、文献や新聞雑誌記事の収集・整理、また、学校長及び学校教員への非構造的面談により事例を収集した。また、分類の視点をうるために、諸外国の関連諸問題、また他の専門職倫理における諸問題を扱った関連文献を収集・分析するとともに、個別事例を法学的観点からも整理し、体系的把握に努めた。【課題2】に関しても引き続き、諸外国の教職倫理教育や他の専門職倫理教育の事例から教材化のポイントを探るとともに、得られた成果を実際の授業実践を通して具体化した。8月に開催された日本教育学会年次大会においてラウンドテーブルを企画し、成果の一部を「ケースメソッド、その教職倫理教育の方法としての普及状況」として発表した。また、11月に開催された中国四国教育学会において、技術者倫理教育課程と看護師倫理教育課程の比較に示唆される教職倫理教育課程へのポイントを整理し、「専門職倫理教育課程の比較分析」として発表した。さらに、教職倫理教育の授業を公開し、参観者から評価を受けて報告書にまとめた。
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International Journal of Cyber Ethics in Education
巻: 第1巻第3号 ページ: 50-58
教育哲学研究
巻: 103号 ページ: 10-15
Bajo Palabra, Journal of Philosophy
巻: 第2巻第6号 ページ: 83-96