• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

コメニウス教育思想の現代的展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530813
研究機関広島修道大学

研究代表者

相馬 伸一  広島修道大学, 人文学部, 教授 (90268657)

キーワードコメニウス / 大衆教育 / 地理学習 / 教育思想 / 歴史 / チェコ / 近代初頭 / 平和主義
研究概要

平成21年度においては、コメニウスの教育思想の意義として従来扱われてきた大衆教育思想としての側面を明らかにするため、コメニウスと協働したハートリブ(Samuel Hartlib)の残した文書におけるpopularとeducationの語の用法について分析した。その結果、彼らの大衆教育が宗教的な平和の実現という意図に支えられていたことが明らかとなった。この点は、コメニウスの教育思想が平和主義の思想との関連において理解されることを示唆するものである。平和主義の思想は、多元的な価値観が相克する21世紀社会において重要な意味をもっており、コメニウス教育思想の現代的展開を検討する上で重要である。研究内容については、平成21年8月29日、オランダ・ユトレヒト大学で開催された国際教育史学会第31回大会において口頭発表した。
また、コメニウスの教育思想の個別的な展開を検討するため、コメニウスにおける地理への関心が教授学思想にどのように展開されていったかについて検討した。コメニウスは青年期に生地のモラヴァ地方の詳細な地図を作製・出版しており、これは長く用いられた。この作製・出版は、「あらゆること」を教育内容に取り込もうとする百科全書主義的志向の具体的現れといえる。コメニウスが作製した地図の日本における本格的な紹介は初めてのことである。この地図の作製ののち、コメニウスは、教授学研究において地理的知識の学習を重視していった。他方、地理的な知識の実践的な意義としては、彼が、晩年の『汎教育』で、人間形成における遊学の重要性を重視していたことが注目される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] コメニウスにおける地理と教育―地理教育の思想史的考察の試み―2010

    • 著者名/発表者名
      相馬伸一
    • 雑誌名

      広島修大論集 50-2

      ページ: 23-40

  • [学会発表] The Concept of 'Popular' and 'Education' in Seventeenth-Century Europe through Analyzing the Hartlib Papers2009

    • 著者名/発表者名
      相馬伸一
    • 学会等名
      The 31^<st> International Standing Conference of the History of Education
    • 発表場所
      Utrecht University, Utrecht, The Netherlands
    • 年月日
      2009-08-29

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi