過疎地である北海道標茶町のまちづくりは、集落再編を基盤にして、学校と地区と公民館が結びつく形で展開してきた。集落再編では、元々学校を中心とした地域のまとまりがあった上で、集落の機能を一元化して、その地域の事務局が公民館に置かれるようにした。そして特に、住民の自治と決定を大事にして、地区住民全体の合意の中でまちづくりの優先順位を決めていくという方式とった。道路や環境の整備にしても、その地区の課題は、地域の中で解決可能なもの、行政に要望しなければならないもの、などを分けて、何でも要望と陳情だけで済まそうとするわけではないことも、責任を伴う自治能力の課題として重要であることが明らかとなった。 また地域の誇りを醸成するために、1A1P(1エアリア1プライド)方式をとった。一つの地区には、様々な良さがあり、自らそれを発見し、その認識を共有するという取り組みを進めている。学校では、子ども達が地域調べ学習を進め、それを町で発表する等、地域住民に還元するという取り組みも進めている。 これらの地域組織と学校が核となりながら、あらゆる地域の中のサークル・文化活動や行事・環境教育活動・生活改善活動・農業体験学習・食育・子育て・女性団体・軽度発達困難児への特別支援サークルなどの活動が重層的に折り重なっており、それらが地域のネットワークを構築している。 このような学校・地域・公民館と様々な活動ネットワークが地域で展開している状況を我々はコミュニティネットワークと称した。このコミユニティネットワークが、またまちづくりの活動を活性化し、全体として生浩環境の居場所と居心地を高めている。このようにコミュニティネットワークがまちづくりに貢献していることを明らかにした。
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