全国的なグローバル化やグローバル人材の議論からは見えにくい、地方圏の外国人留学生の就職に関する留学生と企業の実態と意識について、栃木県を対象に4本の調査を実施、実態と問題点を明らかにし可能性と対応策を考察した。留学生については日本人学生と特性も年齢も共通性の高い留学生像が浮かび上がった。若くして来日している多くの留学生にとって母国と日本の間での立ち位置すら定まり難く、ライフ・キャリアプランをどう作っていくのかは、同世代の日本人学生と共通の課題でもあり、さらに早期からの体系的なキャリア教育や就職支援が必要である。一方、地場企業の多くでグローバル化が進展しておらず、採用人数や求める人材も限定的であり、日本人の雇用経験しかない企業は、留学生の職場適応への不安や、ネガティブなイメージが強いが、今後、グローバル化の進展企業のみならず、国内限定事業を行う企業でも留学生の雇用可能性が見出せる。その実現に向け、地場企業の今後の事業展開や雇用についての戦略的な対応と産業経済団体、自治体、学校関係者の連携による様々な支援が必要である。
|