本研究は、1990年代以降ドイツで展開されてきた学校開発論において、これまで十分に検証されてこなかった教育行政機関に着目し、そこにおける組織開発の理念、実態、課題について明らかにすることを目的としている。教育行政機関における組織開発の理論的基盤を明らかにするとともに、各州における教育行政改革を整理し、評価を基軸として進められている組織開発の実態について分析を行った。その結果、教育行政の果たす役割が十分に整理されておらず、機能上の欠如や重複が生じていること、学校と学校監督の間での「目標協定」制度が導入され、問題が一層複雑化していること等が明らかになった。
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