本年度は、計画書で設定した計画目標を実施するために必要な文献の購読、および歴史的経過の検証をおこなった。具体的には次の2点があげられる。 第一に、研究目標の一つである「地域学校の資本形成の歴史検証」は、研究分担者である湯田が、国立公文書館での学校法人関係資料の閲覧と収集を行った。現在、資料を整理して次年度に発表できるよう準備を進めている。 第二に、もう一つの研究目標である「教育の意思決定と資源体系」は、研究代表者である三上が、近年刊行された関連学術書を整理し、先行研究の検討と総括的な課題設定を試みた。現状は先行研究の課題設定の吟味をし、さらに総合的な課題設定と新たな論点提示が求められているところである。同様の目標について、研究分担者である末富は、学校制度の当事者意識の構造の理論的検討をしている。 上記の2つの作業を踏まえ、研究代表者である三上は、研究統括者として理論モデルの構成と主要概念の整理のために、論点の再定式化を試みることで、次年度に学会で発表する準備を進めている。
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