本研究は、社会的に排除されたホームレスの自立支援における「生」を支える社会関係資本の構築について考察し、そのモデルを提示することを目的として行われた。そのための分析視点として、労働と家族の関連に着目し、彼/彼女らがどのような経過で路上生活を余儀なくされたか、その職歴や家族関係を中心に調査・分析を行った。結果、「男性稼ぎ主」モデルの視点でホームレス問題をみると、明らかに近代家族を形成し得なかった階層が一定程度存在していることがわかる。つまり、近代家族の形成は二重構造をもって展開したことが明らかである。
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